クレジットカードを所有している人は多いでしょう。
クレジットカードは現金を持ち合わせていなくても買い物ができる便利なアイテムですが、支払金額を滞納してしまうと様々なデメリットが発生します。
クレジットカード会社から請求される遅延損害金もその一つです。
遅延損害金の年利はどのくらいなのか、そして他にはどのようなデメリットが発生するのかを解説します。
遅延損害金って何?
クレジットカードの約款を見てみると、大抵の場合滞納などの規約違反時に発生する遅延損害金について明記されています。
遅延損害金は滞納などクレジットカードの契約時に同意した規約に違反した場合に課されるペナルティの事です。
遅延損害金は、支払金額に対して一定の割合の利率で算出されて、対象者に請求されます。
支払金額を完済するまで遅延損害金は発生し続けるため、返済しない限り遅延損害金の額は増え続けていきます。
遅延損害金の年利と計算方法
遅延損害金は消費者契約法という法律によって規定されていて、その利率にも上限の取り決めが存在します。
年利の上限は対象となる金額の支払い方法によって異なっています。
- 一括払い14.6%
- 分割払い6%
- キャッシング20%
このように支払い方法によって変わる年利の上限となります。
各クレジット会社ごとに、この上限に基づいて遅延損害金の年利が指定されていますが、ほとんどの場合は上限いっぱいか限りなく近い数値に設定されています。
罰則金的な意味合いのものですので、可能な限り高利率に設定されていると考えられますね。
また、クレジットカード会社によっては、別に事務手数料が上乗せされる場合があります。
クレジットカード利用料金の滞納はデメリットしかない理由
実際の計算は設定された年利を日割りで分割して算出する方法が用いられます。
例えば年利が上限いっぱいで支払金額が10万円。
支払方法が一括払いであれば、1年あたりの遅延損害金は10万円の14.6%で14,600円。
これを日数の365で割った40円が1日当たりの遅延損害金となります。
分割払いだと約16円、キャッシングの場合なら55円になります。
遅延損害金は支払い日の翌日から発生し支払金を完済するまで発生し続けます。
日割りで算出された1日当たりの金額に、完済までにかかった日数を掛けたものが、最終的に支払う遅延損害金の総額となります。
完済しない限り遅延損害金は増え続けていきますので、支払金の滞納をしてしまった場合は、速やかに返済することをお勧めします。
遅延損害金の請求を無視するとどうなる?
滞納期間が短期間かつ単発であれば、クレジットカード会社も遅延損害金以上のペナルティを掛けることはありません。
しかし、滞納期間が長期に渡ったり、複数回滞納を繰り返すようだと、クレジットカード会社はさらなる手段をとることになります。
まず、長期滞納や複数回にわたる滞納など、悪質であると判断された場合にはクレジットカード会社は「個人信用情報機関」という企業に滞納者の利用履歴を登録します。
利用履歴には
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 勤務先
- 利用金額
- 返済状況
などが含まれます。
登録された情報は各金融機関などが開示請求を行う事で閲覧する事ができ、金融機関のカードの登録申請が行われた時に審査のための情報として使用されます。
個人信用情報機関に登録されることはブラックリストに乗るようなもので、登録されてしまうとカード審査で落とされる可能性が高くなってしまいます。
また、個人信用情報機関に登録された情報は、住宅ローンや自動車ローンの審査の際にも利用されるため、登録されているとこれらのローンも組めなくなる恐れがあります。
個人信用情報機関の登録情報は最大で5年間保存されるため、その期間の間これらのデメリットが継続することになります。
さらに、1日でも滞納すると、クレジットカード会社の社内システムに延滞情報が記録されます。
この記録は最大99年間保存され、顧客情報としてクレジットカード会社に管理されます。
そのため、短期間の滞納であっても繰り返し滞納を重ねると、悪質な利用者とみなされてしまいます。
そうして最悪の場合、そのクレジットカードの利用を停止されてしまい場合によっては強制解約させられることもあります。
もちろん滞納金や遅延損害金はなくなりませんし、支払いに応じない場合は訴訟を起こされる可能性もあります。
万一滞納してしまったら、速やかにカード会社に連絡を!
クレジットカードの滞納には様々なリスクが付きまといます。
そのため、引き落とし口座を定期的にチェックするなどして、滞納を起こさないように注意しなければなりません。
万が一、口座への振り込みが間に合わない等の理由で滞納してしまった場合は、速やかにカード会社に連絡をしましょう。
きちんと理由を説明すれば、数日間支払い猶予を貰える場合もあります。
もちろん、だからといって繰り返すのはご法度です。
普段からクレジットカードの利用料金を滞納しないように心がけるようにしなければ支払い猶予を貰うことも出来なくなってしまいます。
クレジットカードの支払いには充分に気をつけるようにしましょう。